空中写真のジオリファレンス処理

 空中写真は航空機などから撮影され,中心投影であるため高さのある対象物は主点(中心点)を中心に放射状にずれて写る。さらに,1枚の空中写真の中でも場所によって縮尺が異なり,中心付近では写真縮尺が大きく周辺部で小さくなる。また,近接地点間でも標高の高いところが写真縮尺は大きくなる。空中写真に位置情報を与える場合,以上のような空中写真特有のずれをある程度補正するため,既知の座標点を空中写真に与え画像を幾何補正することとなる。
 空中写真の歪みは線形ではないため,レジスタ処理2・3の一次近似処理では十分な幾何補正とならない。SuperMapでは非線形のレジスタ処理として『二次近似(コントロールポイント:7点)』モードを有し,このモードの活用により空中写真幾何補正の様な非線形処理に対応可能である。

【 例題 】
 道路地図を参照して,空中写真のレジスタ処理を行う。
 レジスタ処理のモードに『二次近似(コントロールポイント:7点)』を設定する以外の操作は,レジスタ処理2と同様になる。

(1)データソースの準備
 空中写真データをインポートするためのデータソースginowan_apを作成。
 参照レイヤーに道路@map25k2_vecを利用するため,座標系は『日本直角座標系15系JGD2000』とする。
 データソースginowan_ap空中写真 cok_77_1_c53_8,cok_77_1_c54_9をインポート。データソースmap25k2_vecを開く。
 
(2)レジスタ処理のモード・レイヤー設定
 『二次近似(コントロールポイント:7点)』モード設定。
 レジスタレイヤーにデータセットcok_77_1_c53_8,参照レイヤーに道路@map25k2_vecを設定。


(3)コントロールポイント7点の設定
 『二次近似(コントロールポイント:7点)』モードではコントロールポイントを7点設定する。設定終了後レジスタ処理実行ボタンを押す。




以上で処理終了。


【 空中写真レジスタ処理『一次近似』と『二次近似』比較 】

 『二次近似』処理による空中写真は『一次近似』に比べ,特に周辺部で参照レイヤーに合っていることが確認出来る。

『一次近似』コントロールポイント設定状況


『一次近似』処理空中写真と参照レイヤーに利用した道路地図の重ね合わせ


『二次近似』処理空中写真と参照レイヤーに利用した道路地図の重ね合わせ