6.日本測地系から世界測地系の変換


 6−1.地形図ラスターデータセットの変換
国土地理院1/25000地形図の世界測地系設定を行う。各測地系の概要は以下の通り。
  日本測地系:2000年以前の基準点で作製された地図。国土地理院地形図画像『沖縄』は日本測地系で作成されている。
  世界測地系:2000年以後GPS基準で作製された地図。今後,地図は世界測地系で作成される。
沖縄付近では日本測地系と世界測地系のズレは,北西方向に約500mとなる(地域によってそのズレは異なる)。日本測地系から世界測地系への変換は1/25000地形図レベル(1mm→25m)ではほぼ平行移動で変換可能であるので,下記の補正値より補正した位置情報を,ラスターデータセットの属性情報ウィンドウ,上下左右の位置情報に入力することで,ラスター地形図の世界測地系設定が行える。設定方法は 『5−1.ラスター座標強制入力』と同様。

沖縄島周辺    南北方向 +14秒  東西方向 −7秒
大東諸島     南北方向 +3秒   東西方向 +11秒
宮古諸島     南北方向 +13秒  東西方向 −4秒
多良間島     南北方向 +6秒   東西方向 +11秒
石垣島(竹富)  南北方向 +20秒  東西方向 +1秒
西表島      南北方向 +15秒  東西方向 +5秒
与那国島     南北方向 +20秒  東西方向 +2秒
参照:http://www.gsi.go.jp/MAP/NEWOLDBL/25000-50000/index25000-50000.html

【注意】国土地理院より世界測地系完全対応の地図画像データが発売されれば,上記平行移動は不要になる。

6−2.地形図ラスターデータセットの変換
 SuperMapを利用したベクトルデータセットの変換は,3パラメータによる変換となる。3パラメータによる変換の詳細は国土地理院の『測地成果2000導入に伴う公共測量成果座標変換マニュアル』を参照。3パラメータによる変換は全国一律の変換方法であるため,地域パラメータは参照されていない。
 @日本測地系のデータソースを開き(例 旧座標),右クリックから属性 選択。

 A属性ウィンドウから「データソースの投影」タグ選択。
 Bデータの確認。測地基準系:D_TOKYO,準拠楕円体:Bessel ←日本測地系のデータである。投影変換を押す。


 C投影変換ウィンドウから投影先の設定を押し,開いた座標系設定ウィンドウで日本平面直角座標系のJGD2000シリーズ]X系を選択する。(今まで何度もやっている操作です。)座標系を設定し,完了を押すと変更処理を継続するかどうか確認を求められる。


 D投影変換ウィンドウで,変換方法を指定。3パラメータ法(下図参照)を選択。
 
 E3パラメータ入力。この数値は地球楕円体の変更と基準点移動変のためのパラメータであり,全国共通の数値である。
 
 Fパラメータ入力後,変更ボタンを押す。→変換
 変換後,データソースの投影は測地基準系や準拠楕円体の記述が変更されている。


参考1
 世界測地系から日本測地系への変換の場合,3パラメーターは146.414,−507.337,  −680.507となる。
参考2
 3パラメータによる変換の精度
 1/25000レベル表示
 

 1/5000レベル表示